武満徹の小宇宙企画の会について
私の20代の大学時代に、音楽の趣味をもちながら、将来音楽で身を立てられないかと考えた時期がありました。そのときに、これから将来に渡って先端の音楽を開拓してゆくような作曲家、一生涯にわたって付き合えるような作曲者を探そうと、大学の音楽室のレコード資料からいろいろな現代音楽の作曲家の音楽を聴いていきました。その中で、この人の音楽は深くいつまでも私の中にしみこんでくる作曲家。その人が武満徹氏だったのです。
時代のうねりの中で、私は音楽でない仕事につき、社会ともつながりをもちながらも、武満徹氏の活動・発言・著作・対談にはアンテナを張りながら、動向にはできる限り注意してきました。いろいろな意味で、刺激を受け励まされてきました。
1996年、突然の武満徹氏の死去を知り、愕然としました。それから、数年間は落ち込んでいましたが、何か武満徹氏の残したことを広く皆さんに知ってもらう活動ができないか、それが私のできることではないかと考えてきました。それから、以下のような企画。形で一歩ずつ、少しずつ企画を実現してきました。
武満徹氏の多面的な活動と芸術・人間性を彼と交流のあった親しい芸術家、演奏家、作家たちの公演(コンサート、公演、その他の形)によって、少しでも知ってもらい、これからの生きるヒントをつかんでもらえたらと思っています。また、地元の芸術家の方々と市民の方の交流も視野に入れ、すすめたいと考えています。
代表 鐘ヶ江進
これまでの活動
2007年11月 元小学館編集長 大原哲夫氏講演会
「武満徹全集をつくる経緯、雑感」
ギター: 橋口武史 ヴィオリン: 太田圭亮
2008年11月26日 「武満徹の小宇宙コンサート」
歌・ギター: 小室等 ギター: 福田進一
会場:住吉神社能楽殿
2009年10月 武満徹資料展(個人蔵)
2009年11月 元小学館編集長 大原哲夫氏講演会
「音楽創造をめぐる人たち、モーツァルト、バッハ、林光、武満徹
について」
チェロ: 田元真木 ヴィオリン: 松田
ピアノ: 岡直美
2010年10月 武満徹資料展(個人蔵)
2010年11月20日 谷川俊太郎 詩の朗読と音楽~武満徹をうたう~
詩の朗読:谷川俊太郎 ヴォーカル:小室等
ピアノ: 谷川賢作 ギター: 鈴木大介
フルート:岩佐和弘
プロデュース:武満真樹
会場:都久志会館