2015.9.21 「黒衣の刺客」鑑賞

9月10日、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の「黒衣の刺客」を鑑賞した。

中国、唐の時代の朝廷と地方に配置された地方組織“藩鎮”が力を蓄え反乱を始める。その中で、数奇な運命を背負った女刺客・隠娘が藩鎮暗殺の命を受けあらわれる。複雑な出来事の中で、風車のごとくさまざまな出来事がおきる。日本の遣唐使の若者として妻夫木聡も出演。スーチー、チャンチャンの大スターが出演。

音楽監督は、林強。映像の色彩表現もとても美しい。赤と黒の色彩の美。自然の風景も、日本やいろんな場所っで撮っているようだ。幻想的です。映画音楽も素晴らしい。黒澤監督の映像と音楽のつくりかたを感じさせる。武満徹の音楽的な世界もある。自然音を、古楽器、打楽器、風がまるで見えるかのような表現はとても素晴らしかった。おすすめの映画です。カンヌ国際映画祭≪監督賞≫受賞作品。

2014.9.18 福岡国際映画祭 篠田正浩講演会を拝聴

9月17日、福岡市総合図書館のシネラで篠田正浩監督の「日本映画特集」の記念トークライブに行ってきました。福岡国際映画祭の中の特別記念企画です。

この映画祭の推進者である梁木靖弘(九州大谷短期大学主任教授、国際演劇評論家協会会員)氏が聞き手で篠田さんの興味深いお話を聞くことができました。事前に、映画「写楽」の上映がありました。映画音楽作曲は武満徹です。

お話の内容としては、写楽のこと、浮世絵、蔦屋重三郎、江戸の商人の経済力、松竹の撮影時代のひとたちのこと、とにかく知識旺盛で話も闊達に興味深い話が飛び出してきました。「写楽」を制作する時の、フランキー堺さんとのいきさつ、製作費をレンタルの蔦屋の社長から一億円ほどを出資してもらったいきさつなどとてもおもしろい話の連続でした。もちろん、武満氏のはなしもあり、黒沢監督と早坂文雄氏の話や、武満氏が早坂文雄氏のはやすぎる死をどんなに悼んでいたかのエピソードの聞くことができました。

「写楽」の映画音楽を聴いて、ジャズ、弦、邦楽の響き、あらためて味わうことができました。一度観たことはあるのですが、「写楽」の内容、音楽性を全然理解できていないことに自分でもびっくりしています。もっと深く理解しなくては。何回の鑑賞をする必要性を痛感しました。

2014.6.30 いっしょにうたいましょうの会

林光さんの曲を中心に歌が好きな方々がいろいろな歌を歌う会がある。私も参加して歌っています。いっしょにうたいましょうの会。

6月の例会では、武満徹・作曲 谷川俊太郎・詩の「死んだ男の残したものは」が新曲で歌われた。歌いながら、「いま生きている私たちが希望を明日を、未来へつないでいくのだからね。」と励まされているように感じた方もおられた。

この歌は、反戦の集会のためにつくられたと聞いたことがあるが、現在もなお歌われる状況であることに谷川俊太郎氏は、本当は歌われる必要がない世界をつくらなければいけないですがといつかコンサートの中の話されていたこのを思い出す。

2014.6.29 吉原すみれさんの2014コンサートご案内

今日は、アクロスイベントホールで吉原すみれさんにご挨拶してきました。武蔵野音楽大学の学校説明会のために来福されました。控室で先月の山口恭範氏の公演のお礼と挨拶をしてきました。2014年11月21日には東京オペラシティーで吉原すみれさんのパーカッションリサイタルが開催されます。≪≫の内容で、オケとの協演もあります。武満徹関連ニュースの欄に詳細は書いています。是非、武満徹氏の打楽器とオケの生の音を聴いてみてください。特別な響きが感じ取れると思います。もちろん私も鑑賞に行く予定です。

2013.12.27 敲唱ーみやざきたかし 武満徹を歌う

みやざきたかしさんのコンサート鑑賞しました。武満徹の歌をうたうCD発売の記念コンサートでした。

前半は、小椋佳さんの歌。後半に武満さんの歌が演奏されました。

「ぽつねん」「Mi・Yo・Ta」「小さな空」「死んだ男の残したものは」他、がじっくりと歌われました。心にしみこみます。若いころのみやざきさんとは、ちがいました。いい歳をつみかさねられたようです。お話の悠然として、笑いもとりながらいいものでした。声は高くて独特の響きの声は健在でした。武満さんのうたといい具合に溶け合っている雰囲気でした。とても味があります。

公演後、少し話をさせていただき、いつか企画に出演のお願いをしてきました。

お客様は、昔からのファンの方々も参加されているようすでした。

会場はアクロス円形ホールでした。

2013.11.16 大原哲夫講演会 吉田秀和氏の思い出を語る

大原哲夫氏の講演会の企画公演終了しました。

 吉田秀和氏と付き合いのあった編集者・大原氏のお話をいただきました。

 吉田秀和先生と出会い、編集の仕事でおつきあいのお話等、貴重な写真や直筆原稿の資料も映像でみながら、語っていただきました。吉田秀和先生との仕事の時の会話では、変化球がある会話のやり取りや茶目っ気ある人柄がしのばれました。

 

 林光氏の話では、亡くなる前に渡された原稿を何とか本として出版しようと思い過去の講演会や演奏会の資料を掘り起し、自費出版でCD版の本「光さんの贈り物」として出版したいきさつを語られました。編集者ではなく、自費出版の場合には、販売・流通・宣伝・資金回収等を総合的な戦略が必要で、その大変さも話されました。林さんの最後のメッセージを伝えるための、大原さんの挑戦には心が熱くなります。それだけ林さんとつながりが深いのだと思います。

 

 吉田秀和先生の批評については、武満徹と林光を例に、二人の作品の初めての公演の批評を、過去の資料のコピーを読まれました。吉田先生が作家の将来を目に見えるように予言して書いてあり、実際、後年、二人の活動が予言を実現し素晴らしい実績を積み上げています。吉田先生の慧眼の凄さに感心します。

 

 今週の22日には、東京の文京区のホールでコンサート「武満徹の響き」プロデュースのお仕事があり、大変忙しい日程の中で、福岡の講演会に来ていただき大変感謝しています。いつも同時進行の仕事をかかえながら、超人的活動される大原さん、これからも貴重な講演が福岡でできるように、企画したいと思っています。ありがとうございました。

 

 

2013.10.27 こんにゃく座公演 ピノッキオお手伝い

こんにゃく座公演 ピノッキオのお手伝いをしてきました。ビデオでの公演撮影とチラシの入れ込みの手伝いでした。

会場は、パピヨン24ガスホール。原作は:カルロ・コッローディ、台本:山元清多、作曲:萩 京子、演出:伊藤多恵、演者は4人、ピアノ1人。1人が数役を演じて、飽きさせない構成。役者の楽器演奏の劇の中であり、うまく楽しませるように構成されている。ピアノは最後まで、盛り立てていました。とてもよかった。時にはピアニストが役をする場面のあり、こちらが緊張しました。

子供が遊び過ぎてとろばになるの場面では、場内の子供たちも緊張していました。

旅をして、たくさんのことを知り、たくさん経験して、やさしさと強さを持ちピノキオは自分に誇りをもちます。懐かしい子供のころの感覚を思い出します。

びっくり箱のようにいろいろな道具がでてくるので、とても飽きさせないオペラでした。満足。終了後、舞台の片づけをお手伝いして帰りました。

 

2013.10.11 パタゴニアで映画鑑賞

今日は、アウトドア店パタゴニアで山がテーマの映画を鑑賞しました。

カナダの山岳のある山小屋のオーナーである男性ガイドが主人公です。家族で経営しています。妻と娘二人の家族です。主人公がガイドのなったいきさつや美しい山岳風景も楽しめます。山岳スキーのガイドでは、大変危険で慎重な対策と冷静な判断が必要となります。小人数のスキーの時に雪崩が発生し、何人かは救出できたが、数人の人を亡くしてしまします。

山の先が予測できない自然の過酷な姿をみせつけられます。それでも、主人公はたちなおり家族とお客とともにガイドを再び始めます。雪崩で失った友を思っていると、ある時ワタリガラスが小屋に居つくようになり、主人公が山のガイドに出かけ、状況判断で苦しんでいる時、このワタリガラスが上空を舞い、安全な状態を知らせてくれるようになったそうです。まるで友の霊が守ってくれているように。

不思議なことは世の中あるものです。とてもいい映画でした。

パタゴニアの店内でこのような企画と上映会があり、いい発信の形と思いました。他にも講演会等企画がされています。会社としていい方向性を示しています。パタゴニアの起業理念も興味深いものです。

 

2013.9.8 谷川俊太郎さんと散歩

9月8日はDivaコンサートを無事盛況に開催できました。特別のサプライズで、谷川俊太郎さんにも登場していただけました。感激です。小さな会場で、まさに詩人の俊太郎さんがそのままに朗読してくれました。短時間でしたが、時間が止まるような感覚でした。

打ち上げの後、谷川さんが早めにホテルに帰るとのことで、私が送ることになりました。道すがら、武満さんとの出会い等いくつかの話題でお話ができ、とても貴重な散歩道でした。とても丁寧に、親切にお話していただき感激でした。これから、どんな企画をしたらいですかの質問には、湯浅譲二氏、小澤征爾氏、今井信子氏、荘村清志氏の名をあげられ、実現できるかはわかりませんが、次の目標が見えてきました。

 

 

2013.7.21 「風立ちぬ」ジブリ映画鑑賞

 ゼロ戦の設計者 堀越二郎と作家 堀 辰雄の「風立ちぬ」の世界を融合させた映画です。あくまで映画です。

少年の飛行機への夢と憧れ。空を飛ぶ飛行機の爽快さ。まるで自分も飛んでいるような作画の力。

 日本が戦争に突入する前夜の描写。社会的背景さりげなくも描かれています。この手法が現実感を生み出します。当時の服装、家屋、街の風景よく描かれています。

 青年になった彼は、設計技師になりいよいよ夢の実現に挑戦していきます。

飛行機をつくるということは、当時は国家的な政策と手を組まないと不可能だったでしょう。その辺の事情も描いてあります。そして、ヒロインとの出会いと、純粋な恋愛。風立ちぬの世界。でも、違和感はありません。こんなに純粋で夢と希望をもった主人公の生き方。映画はすばらしい。

 

 現実の日本を考えてみると、いろいろと考えさせられます。

科学技術と人間、社会との関係。科学者、技術者の倫理観。テーマはいろいろです。

 音楽は、久石譲。テーマのメロディーがタンゴ的。弦楽アンサンブル、管楽器、オーケストラと場面に使い分けて合しています。違和感はありません。

懐かしいメランコリックなメロディーは印象に残ります。

 

 子供の今はわからないかもしれないけど、見ておくとどこかで思い出し、考える時が訪れるかもしれません。大人も子供も見てほしい映画です。宮崎駿は飛行機や機械とても好きなんですね。私も最先端の科学的創造物に魅了感じます。細心の注意と社会的意義も、未来を念頭にいれて考えておくことも必要です。

 

 

2013.7.2 鈴木大介 ギター・リサイタル 佐賀市

 7月2日、佐賀市文化会館 中ホールでの鈴木大介リサイタル鑑賞してきました。

 大介さんが佐賀でのリサイタルは初めてと話していました。今回は、武満徹さんの関係ある曲と武満さんに関しての話ととても興味深い曲と演奏でした。

柴田紗希さん(アルト・フルート)との協演もありました。曲は、武満徹作曲 海へ。佐賀出身のフルート演奏家です。とても大胆に武満氏の「海へ」を演奏してくれました。大介さんの新鮮な感覚で取り組むことができたと称賛されていました。

 いい感性を持っています。いつか福岡でも企画できればと思いました。

 

プログラム

アストル・ピアソラ:ロ・ケ・ベンドラ

アストル・ピアソラ:セーヌ川

武満徹:ギターのため12の歌より

    失われた恋/サマータイム/オーバー・ザ・レインボイウ

スペイン民謡:「禁じられた遊び」から 愛のロマンス

フランシス・タレガ:アルハンブラの思い出

アグステェン・バリオス:追走のショーロ/大聖堂

        休憩

武満徹:海へ (アルト・フルート:柴田紗希)

アストル・ピアソラ:平原のタンゴ/ロマンティックなタンゴ

アニバル・トロイト:スール

カルロス・ガルデル:首の差で

アストル・ピアソラ:ブエノスアイレスの春/ブエノスアイレスの夏

 

アンコール アストル・ピアソラ:タンゴの歴史より

      巡り逢い:武満徹

 

とても武満徹氏への愛を感じるコンサートでした。追走のショーロの演奏の後、鈴木さんは武満さんの家族から武満さんの愛蔵のピアソラのレコードいただいたと話されました。。武満さんはとてもピアソラの追走のショーロが好きで、ギターリストの荘村清志さんがいるときにはコンサートの後では、追走のショーロを弾いてとせがんでいたそうです。聞いてみて、いい曲です。選曲のセンスが武満さんは抜群です。いい耳をしています。いつか武満さんの愛蔵の曲の音楽会とができたら面白いのではと思っています。

とてもいいコンサートでした。柴田さんという演奏家にも会えて感謝しています。

 

 

2013.6.14 映画「天心の譜」鑑賞

映画「天心の譜」を鑑賞しました。

この地球上に生きるもの(人も動物も直物も)は、天の中心にあって、誰も、誰からも排除されるものではない。誰もが、自分らしく生き生きと命を輝かせることが出来るINCLUSION(包み込む社会)の実現を願って制作された映画です。

題字は、障害をもった書家、金澤翔子。冒頭に、彼女が筆で書くシーンがあります。その迫力姿も見入ってしまいます。

 

・障害をもった演奏者たちとコバケンの仲間のコンサートを成功させるまでの

 過程の記録。

・指揮者・小林研一郎が災害の地福島を訪れ、感想を述べていきます。

・ある被害があった中学校を訪れ、琴の合同演奏を聴いてメッセイジを送りま

 す。

・オケの練習風景では、コバケンがむき出しの姿をさらします。自分の音楽の

 原初の体験の話します。貴重な映像です。

・撮影をしたのは、障害をもった青年チームです。撮影する視点と技術もしっ

 かりもっています。

・2012年のギリシャでのパラオリンピックに参加した日本の障害競技者のド

 キュメントもしっかり撮影してあります。

 

制作総指揮:細川佳代子   監督・編集:小栗謙一

音楽・指揮:小林研一郎

管弦楽:コバケンと仲間たちオーケストラ

バイオリン:瀬崎明日香 川畠成道   ソプラノ:池田理代子

トロンボーン:鈴木加奈子   

その他

 

 この世に生をうけたもの、誰もが生き生きと自由にふるまうことができる世界。そんな世界を実現できる希望をあたえる内容です。

この映画は、自主上映映画方式で取り組めますから、機会があれば、やってみたい方は上映企画ができます。少し費用はかかりますが、このような上映活動もできるのですね。

 

 

2013.5.26 けやき通り音楽祭 めぐりあいの音楽会 企画協力

 昨年につづきめぐりあいの音楽会に企画協力をしてきました。

 今回は、昨年より1店舗参加が減り、6店舗で実施しました。

 けやき通りの6店舗をめぐり、音楽、空間、喫茶を愉しむ音楽会です。

チケットも三店めぐれるセットチケットと二店めぐれるセットチケットを用意しました。店舗の場所がわかるマップを見ながら自分で選んで好きな音楽を愉しめるように工夫しました。

 

 店舗は、珈琲専門店、カフェ、現代絵画のギャラリー、アンティク宝石の店、イタリアレストラン、モロッコ料理店。音楽は、アコーディオン演奏、現代音楽と朗読演奏、南米の音楽のクラシックギター演奏、ピアノの弾き語り、Jazzキーボード演奏、ピアノとヴァイオリン・チェロの演奏と多様な音楽が楽しめるように工夫しています。武満さんの曲もギターと弦楽の演奏では取り上げてもらいました。

 

 地域の運動会等行事がかさなっていたりして、客数は去年とあまり変わりませんでした。ただ、複数の店舗をめぐるお客はチケットの工夫もあり増加しました。よりいっそうまた工夫して来年の企画に活かしたいと思います。

 

2013.4.29 井上淑彦・北浪良佳・石井彰ジャズチャリティコンサート ~よりあいの森支援~

4月29日、大名クロスガーデンでの井上淑彦・北浪良佳・石井彰の武満徹のうたジャズコンサート企画終了しました。

会場は、昨年出来た、平尾バプテスト教会の大名のチャペル。高い吹き抜け空間。席は120名。グランドピアノがあります。最近は、福岡の演奏家が発見してコンサート会場として利用が盛んになりつつあります。この地域には、小コンサートホールが不足しているので、いい演奏の空間になればと思います。

今回のコンサート、1部はスタンダードジャズの曲。2部は武満徹のうたのジャズ演奏です。

武満さんの曲は

 翼、燃える秋、ぽつねん、小さな空、○と△の歌、めぐりあいが歌われました。

井上淑彦さんのサックスは、野武士のような邦楽的響きの魅力ある音と表現でした。北浪良佳さんは、表現力あふれる歌を聴かせてくれました。pからfまで急速度で低音、高音自在に発声し素晴らしいものでした。これほど自由な武満さんのうたを聴いたのは初めてです。石井彰氏は、リズム、コード、低音・高音自在演奏しの全体をまとめていました。構成能力が素晴らしい。いいピアニストです。

打ち上げでは、いろいろな話が聴け楽しい時間でした。井上さんが「サラダをとりましょう」と一声をあげ、皆で食べました。井上さんは健康と食事に大変詳しく、とても勉強になりました。いい方です。

3人のこれからの活動も注目していきたいと思っています。記念写真もとりました。

 

2013.3.31 鈴木優人ピアノコンサート 於 ベニールカフェ

 鈴木優人氏のカフェでのピアノコンサートを企画しました。

偶然の出会いで鈴木氏と知り合い、鈴木雅明氏の子息で編集長の大原哲夫氏とも交流があるとのつながりで今回の企画を実現できました。

 本人もカフェの空間で、ジャズライブのようなスタイルで演奏をやってみたかったとのことです。

演奏曲は

ショパン プレリュード「雨だれ」、
スウェーリンク「半音階的幻想曲」、
J.S.バッハ「ヨハネ受難曲」より第40番コラール、
ラヴェル「HAYDNの名によるメヌエット」、
ショパン「遺作のノクターン」、
山田耕筰「月光に棹さして」、
武満徹「ピアノ・ディスタンス」
〜休憩〜
三善晃「珊瑚の唄」、
石井真木「北・銀・夜(冬)」、
チャイコフスキー「秋に」、
シューベルト ソナタ イ長調 D.959より4楽章、
  マーラー「子供の不思議な角笛」より「美しくトランペットの鳴り響くところ」、
武満徹「小さな空」


 バッハから現代の日本の作曲家まで疾走する演奏でした。

 鈴木氏は九大フィルのコンサートの指揮をされるとのことで、その公演で歌われる歌手の方の特別出演で、2曲演奏がありました。体格が立派な声も素晴らしい歌手でした。皆さんも満足されたと思います。特別なコンサートでした。

2013.2・12 佐野成宏テノールコンサート

2月12日、アクロス福岡シンフォニーホールの佐野成宏テノールコンサート鑑賞してきました。会場は2階まで満員の盛況でした。

出演:佐野 成宏(テノール)

   ゲスト:高嶋ちさ子(ヴァイオリン)

       河原 忠之(ピアノ)

1部は、「おお春よ!」   ティリンデッリ作曲

   「朝の歌」     レオカヴァッロ作曲

   「タイスの瞑想曲」 マスネ作曲

   「リベルタンゴ」  ピアソラ作曲

    その他

2部は、オペラ愛の妙薬より「何と美しい彼女」

             ドニゼッティ作曲

   「愛の挨拶」    エルガー作曲

   「アヴェマリア」  マスカーニ作曲

   「小さな星」    ポンセ作曲

    オペラトスカとり 「星は光りぬ」

             プッチーニ作曲

    その他

 

アンコール:チャルダッシュ、小さな空、オ ソレ ミオ

 

 佐野氏の声と表現力はいいものでした。アクロスの空間の響きも讃えていました。「星は光りぬ」は好きな歌です。奥行があります。高嶋さんと佐野さんのトークでは、高嶋さんの饒舌がさく裂していました。でも、ヴァイオリンの表現音は繊細ですから面白いものです。アンコールの「小さな空」、今まで聞いたクラシックの歌手の中では、一番、歌の表現と声の響きは自然で感心しました。佐野氏はいい表現者と思いました。素晴らしい方でした。感謝。              

2013.1.29 大発見 DVD「音 おと~作曲家 武満徹の軌跡」

 NHKDVD「音 おと~作曲家 武満徹の軌跡」鑑賞中です。

 この作品は、武満さんの音の秘密を親交のあった演奏家や人々へのインタビュウーで核心に迫る意欲的作品です。ぜひ、鑑賞してみてください。

私も、このような企画ができないかと考えていましたが、さすがいいスタッフがいますね。感謝の作品です。

 内容は、まさに、武満徹の軌跡がドキュメンタリーで語られます。

 主演者

 ◎指揮者/小澤 征爾  ◎元京華学園音楽教諭/萩原 清子

 ◎作曲家/池辺 晋一郎 ◎元NHKディレクター/吉田 直哉

 ◎ベルリン・ドイツ交響楽団芸術監督/ケント・ナガノ

 ◎ベルリン州立歌劇場芸術監督/ペーター・ムスバッハ

 ◎武満 真樹  ◎旧制中学校(京華中学校)同級生/魚津 欣司

 ◎旧制中学校(京華中学校)同級生/竹内 博

 ◎旧制中学校(京華中学校)同級生/大竹 重夫

 ◎作曲家/鈴木 博義  ◎武満 浅香

 ◎指揮者/岩城 宏之  ◎「水の曲」録音エンジニア/奥山 重之助

 ◎打楽器奏/山口 恭範 ◎尺八奏者/横山 勝也

 ◎尺八奏者/三橋 貴風 ◎衣装デザイン/石岡 瑛子

 ◎詩人/谷川 俊太郎

 

 これだけの方々へのインタビューのドキュメンタリーは、もう出来ないでしょう。とても貴重、そしておそるべき作品です。武満さんの音の創造の秘密を知るにはなくてはならない作品です。

 まだ、観てない方は是非鑑賞してみてください。大発見でした。

 

2013.1.29 DVD「武満徹~マイ・ウェイ・オブ・ライフ」鑑賞

 NHKDVD「武満徹~マイ・ウェイ・オブ・ライフ」を鑑賞しました。

 武満徹が生前に残した代表作で構成したオペラのような舞台作品です。

 音楽としては、

  ◎聞かせてよ 愛の言葉を  ◎弦楽のためのレクイエム

  ◎ノヴェンバー・ステップス ◎水の曲

  ◎ワルツ~映画「他人の顔」から

  ◎系図~ファミリー・トゥリー

  ◎小さな空         ◎ムナーリ・バイ・・ムナーリ

  ◎スタンザⅠ        ◎マイ・ウェイ・オブ・ライフ

                -マイケル・ヴァイナーの追憶にー

  ◎思い出のサンフランシスコ

 制作:ベルリン州立歌劇場/パリ・シャトレ座/KAJIMOTO

 

 不思議な舞台構成です。舞台の中でほとんど動かない武満さんの象徴のような方の存在感も魅力的です。色彩も美しい。武満さんの音と舞台。調和しているというより、違うものが響きあうといったところでしょうか。

2013.1.6 タルコフスキー映画作品 ストーカー鑑賞

 ついに、タルコフスキーの映画作品「ストーカー」を観ることができました。

 若い頃に上映されたはずですが、その存在も知りませんでした。武満さんがとても好きな監督ということで、観れることを楽しみにしていました。

 今回はKBCシネマのタルコフスキー80周年の映画祭だそうです。2週間毎日内容を変えて上映されるようです。観客も結構はいっていました。

 さて、内容はある国である日突然、異常な地域が出現します。詳しくは語られませんが、何か事故で出現したのでしょうか。その地域の中に、ある部屋がありそこで願い事をすると可能になる特別な場所があります。主人公は、外部からこの特別な部屋で願い事をかなえたい客を、危険を冒して水先案内することが仕事、または、自分の使命と考えいるようです。

 その特別な地域に行くまでの、不思議な風景と作法、自然や建築物、廃墟、巨大な構造物、神秘的な通路等があります。

 音楽と映像が独特です。ノイズ系の音楽。機械音。自然の音。水の音。クラシックの音楽も変換されて使ってあります。映像も素晴らしい。タルコフスキー独特の緻密で時間が自由に変動しているような空間映像。武満さんと近い感覚を感じます。鑑賞したあとで、妙に頭に残る不思議な作品です。いい映画と出会えました。感謝。

2012.12.22 特別なコンサートでした。

12月22日、谷川俊太郎と石川セリの世界

       ~詩と音楽の贈り物~

 大野城市市政40周年記念 あなたとわたしのハートフルステージ。

に行ってきました。会場は、大野城市まどかぴあ 大ホール。主催は、公益財団法人大野城市まどかぴあ男女平等推進センター。

 出演者は、谷川俊太郎(詩人)、石川セリ(歌手)、谷川賢作(作曲家/ピアニスト)、浜口茂外也(音楽家)。

 

 初めに、俊太郎さんの詩の朗読。次に、賢作さんのピアノ演奏。浜口さんのギターと歌で「涙くんさよなら」。すてきないい声の歌でした。浜口茂外也は作曲家・浜口さんの息子さんでした。びっくりです。

 谷川さんのお話の中で、山本直純(指揮者・作曲家)をモデルにして武満さんと俊太郎さんとで映画を撮影したとの話もありました。かすかにどこかの資料で記憶があります。

 そのあと、賢作さんが「男はつらいよ」をピアノ演奏。

 そして、詩の朗読と音楽「家族の肖像」が演奏されました。

 2部は、クリスマスコンサート。石川セリさんの素晴らしい、懐かしいメロディーが聴けました。「八月の濡れた砂」等。そこに、突然、井上陽水さんが登場。会場からもすごい歓声でした。そして、二人で「ダンスは踊れない」のすこし恥ずかしそうな熱唱。

 いやいや感激です。セリさんは、武満さんの素晴らしさも話し、「小さな空」を歌ってくれました。ただただ感激。涙。谷川俊太郎さんも登場し、武満さんとの思い出も話されました。最後は、陽水一家、娘さんたちも全員登場してクリスマスのうたを会場の皆さんと一緒に歌いました。

 石川セリさんもデビュー41周年記念のコンサートでした。セリさんらしい天衣無縫のとても魅力がある人柄素晴らしいですね。

 特別の、本当に、特別のコンサートでした。チケットは2000円。感激。涙。涙。感謝。感謝。

2012・12・9 高橋信之輔、山下洋輔、池田篤、中村健吾       Biuse4usコンサート

12月9日、高橋信之輔(Ds)、山下洋輔(Pf)、池田篤(Sax)、中村健吾(B)4人によるJazzコンサート堪能してきました。

 会場は、熊本市の熊本城内にあるKKRホテル熊本。中華ディナーつきの豪華なコンサートでした。

 オーネット・コールマン、ジョン・コルトレーンのピク・ニック、デュクエリントン、高橋信之輔のブルース・フォ・アス等楽しむことができました。

各奏者凄い腕前ですから、楽しみ方は、様々でした。皆いいプレイヤーです。

こんな充実した時間が持て幸せです。会場には、90名程度の満員のお客様でした。反応もとてもいい上質の客層でした。いい企画をされる方がいらしゃいますね。マネジメントを参考にして活かせたらと思いました。

 演奏後、ドラマーの高橋さんと少し話すことができました。

印象に残ったのは、

 *いい演奏の時は、頭では何も考えていなく、相手の演奏が快く聞こえている時。

 *ジャズを演奏するためには、基本的な技術・方法ををいろんな形で積み上げた上でないと表現は難しい。

 *ドラムたたいている時もメロディーを感じ、歌いながら演奏している。

他にもいろいろ興味深い話を少し聴けたのですが、とても感動しました。

人柄もとても感じのいいかたでした。まだ若いのですが、精神は大人です。高橋さん素晴らしドラマーです。これから少しでも支援できたらと思いました。

山下洋輔さんとも少し話ができました。武満さんに関しては

 *武満さんがジャズが大好きで終戦後進駐軍のホールでピアノの演奏をしていたことが話題になりました。直接、山下さんは武満さんとのお付き合いはなかったとのことでした。あと、ジャズをやるなら、コードを覚えて弾けるようになりなさいと指導をうけました。

 コードも不思議なテーマです。

素晴らしいコンサートでした。感謝。帰還は深夜1時過ぎでした。少し疲れ気味。知り合いのカメラマンとも同行しました。彼はライブの写真のバシバシ撮っていました。いい写真がとれたようです。貴重な写真なると思います。

 

 

2012.12.2 高橋アキ ピアノリサイタル

12月2日、高橋アキ ピアノリサイタル鑑賞してきました。

 会場は、九州大学大橋キャンパス・多次元ホール。

けっこう広いスペースで、設備もあるようです。グランドピアノが用意してありました。天井も高く、映写の設備もあり、多様な利用法がありそうです。いいスペースです。

 今回は、「筥崎千年現代音楽祭」Part-02のコンサートです。

 演奏は、ハイパー・ビートルズ

 武満徹、ジョン・ケージ、クリスチャン・ウォルフ、アルヴィン・ルシエ、藤枝守、フレデリック・ジェフスキー、ガイ・クレセヴェック、テリー・ライリー、バーバラ・モンク=フェルドマン、バニータ・マーカス、ジェームス・テニーによるビートルズの編集作品でした。

 各作曲家のビートルズへの挑戦もとても面白いものでした。それにもまして、高橋アキさんの現代作曲家との広い交流関係、企画し推進する能力、演奏も素晴らしいものです。アキさんの作品の解説と作曲家とのエピソードも貴重で興味深いものでした。お話もすばらしく、とても存在の魅力をもった方でした。

 高橋アキさんの演奏を近い距離で聴け、とても幸せで大切な時をもてました。

 武満さんとも同時代で共同の取り組みもした充実した時代を考えました。

いろいろな武満さんと関係のあった方との交流を仮想的に追体験している幸せを感じます。

 印象に残ったお話で、ジョン・ケージがいい音と興味をもったものに、サボテンの棘の部分を弾くと金属的ないい音がするという話が、妙に印象に残りました。感謝のコンサートでした。

 

2012.11.3 川本嘉子・荘村清志・三舩優子・辻本玲コンサート

北九州国際音楽祭、響ホールでの4人のコンサートに行ってきました。

川本嘉子(ヴィオラ)、荘村清志(ギター)、三舩優子(ピアノ)、辻本玲(チェロ)のメンバー。

最初は、川本氏のJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第1番から開始。次に荘村氏とデュエットで、シューベルトのアルペジョーネ・ソナタ。荘村氏で、パーセル4つの作品の演奏。このように独奏、デュオ、トリオ四重奏と室内楽をいろいろな形で楽しむというとても贅沢な内容のコンサートでした。

曲はドヴォルジャークのロンド ト短調、ブラームスのクラリネット(ヴィオラ)三重奏曲イ短調、ピアソラのサニーのゲームと天使のミロンガ、ピアソラのタンゴの歴史、ピアソラ〈野平多美:編〉ル・グランドタンゴという特別なコンサートでした。充実していました。

響ホールは、運営も素晴らしく、この音楽祭も内容はとても充実しています。うらやましい音楽祭です。福岡市でもなぜできないのか。といってもはじまりませんが。

個人的には規模を変えて、企画・実施したい目標になる音楽祭でした。最後パンフレットに4人の皆様のサインもいただけました。スタッフの方々のいきとどいた配慮も素晴らしいですね。来た甲斐がありました。感謝。

2012.9.17 曽根麻矢子リサイタル

9月17日あいれふホールで、曽根麻矢子さんのフランス・バロックのチェンバロ音楽を鑑賞しました。

 J.H.ダングル・ベール、J.デュフリ、L.クープラン、J.Ph.ラモー、F.クープランと多彩な作曲家の曲を楽しむことができました。

 曽根麻矢子さんは桐朋学園大学付属高校ピアノ科卒業。1986年ブルージュ国際チェンバロ・コンクールに入賞。1990年よりパリに拠点を移し、ヨーロッパ各地で演奏活動を行い、高い評価を受ける。現在は、上野学園大学教授。

 チェンバロの金属的打楽器的音はとても好きです。現代とバロックの精神性は近いものがあるのかもしれません。楽しむことができました。

 曽根さんの演奏の姿も楽しそうでも厳しくもあり好感がもてました。

 第14回福岡古楽音楽祭の中の最終ステージのリサイタルでもありました。演奏のあと、有田正広(音楽監督)氏が音楽会ボランティアスタッフの方々への感謝と、今回が最後の予定であったが、来年も実現できそうとのこと、支える    皆さんは大変だったと思うがもっと続けてほしい思いを語られました。

大きな行事を運営する大変さは、私も経験して感じていますが、貴重な音楽祭できれば続けてほしいものです。支援する方々の世代交代の問題もあるでしょう。次の世代にどう継承して行くかの方法を探る必要があります。

 

2012.8.30 武満徹 メモリアルコンサートⅩⅦ鑑賞

8月30日、松本市キッセイ文化ホールでの武満徹メモリアルコンサート鑑賞しました。

プログラム

アントゥル=タン

そして、それが風であることを知った

秋庭歌一具

 

 アントゥル=タンは弦楽器のハーモニクス(倍音を出す奏法)から始まった。ヴィオラとヴァウイリンとチェロがだんだんと重なり武満さんらしい響きの世界が聴こえます。オーボエがいろいろな囁きをし、弦が応えていきます。

静寂と響き、音の空間と間合いがとても豊かでした。

 そして、それが風であることを知ったは、ハープ:吉野直子 ヴィオラ:川本嘉子 フルート:ジャック・ズーン。三人の音が素晴らしい。贅沢な演奏でした。聴けてよかった。

 秋庭歌一具は、想像を越えた響きの世界でした。4つのパート(群)に演奏者が配置され、全面に九名、背面に八名(四名は笙、四名は篳篥と龍笛)、右側面に六名、左側面に六名。広く空間を演奏者が占めて音がホールを包み込むような仕組みのようです。音が空間に立ち上っていく、天に昇っていくような壮大な音響の場を武満さんは創造したのでしょうか。各曲のタイトルは

第一曲「参音聲(まいりおんじょう)」

第二曲「吹渡(ふきわたし)」

第三曲「塩梅(えんばい)」

第四曲「秋庭歌(In an autumn garden)」

第五曲「吹渡(ふきわたし)二段」

第六曲「退出音聲(まかでおんじょう)」

CDでは聴いたことはあるのですが、音が立ち上がる場にいないとこの音楽は理解できないのではないでしょうか。いい体験ができました。

 伶楽舎音楽監督の芝 祐靖氏は、初めはメロディーもハーモニーも今までに聴いたことがない独自なものでかなり戸惑われたそうです。しかし、ヨーロッパ公演での観客の反応が素晴らしかったので、全六曲が完成したそうです。

 芝氏はこの《秋庭歌》にすっかり魅力されて、虜となり《秋庭歌一具》と心中するつもりで宮内庁を退職し《秋庭歌》合奏団ともいえる「伶楽舎」を結成して、今日まで活動をしてこられました。まさにめぐり逢ったが100年目。冥界の武満さんに感謝をしています。

 武満さんとかかわると何か人生が変わる体験をした人は多いのではないでしょうか。私のその一人です。

 

 

 

2012.8.24 『治療塔惑星』大江健三郎作(岩波書店)を読む

近未来SF『治療塔惑星』を読みました。著作:大江健三郎 出版:岩波書店

1991年第一刷発行

大江健三郎氏のSFへの挑戦作品です。大江氏は武満徹とは朋友のような間柄ではなかったかと拝察します。お互いに影響しあいながら、ケンカもしながら交友もあたためた二人です。

今回、本を読んでみて本来なら死すべき状態の人間を健康体に再生する《治療塔》という宇宙の別の生命体が人類のために残した奇跡の装置。死滅しつつある地球から、朔ちゃんという若者が惑星タイタンに《治療塔》を地球上で構築するため向かいます。朔ちゃんとつれあいの間には、惑星から帰還した後に生まれたタイくんがいます。

タイくんの成長と惑星での朔ちゃんの困難な任務の遂行。過酷な宇宙と、死滅ある地球の世界を大胆に描いてあります。

印象にのこったのは、広島の原爆ドームが来るべき地球再生の核になるというビジョンは、今の福島、広島、長崎の核の悲劇を考えたときに何か頭の中でよく理解はできてないのですが、つながっていく現実的な物語になっているような予言的なものを感じます。武満さんはあまり評価しなかったと何かで読んだ記憶がありますが、私には意味深い物語です。

2012.8.11 小川典子ピアノリサイタル鑑賞

8月11日、小川典子コンサート行ってきました。

会場は、福岡銀行本店大ホール。ほぼ満席でした。今回は、福岡在住の熱心なドビュッシー研究者の方の企画もあり実現したコンサートとのことです。

最初は、ドビュッシーらしい響きの曲、月の光、アラベスク一番等。そして現代音楽作曲家 藤枝守氏の委嘱新作・世界初演のガムラン・アラベスクの演奏でした。

ガムランの音、リズム。ピアノがガムラン風に打楽器的響きで独特のリズムと分散的響きを奏でながら、高音のメロディー的音楽がきこえてきます。アラベスク、いろいろなタイプのガムラン風に曲ができているいるようです。面白く鑑賞できました。ピアノでガムランいいアイデアです。藤枝氏も壇上に招かれ拍手を浴びました。

最後は、12の練習曲。小川さんは、この曲を弾くために来ましたの勢いで熱演でした。弾きたくても、なかなかコンサートでは、主催者からOKがもらえないそうです。

初めて聞きました。ショパンの12の練習曲の意気込みでドビュッシーは作曲したのではと感想をもちました。ドビュッシーらしい練習曲。私は気に入りました。

いい作品です。演奏終了後、小川さんと少し話ができました。将来一緒に企画ができればと思います。でも実現できそうな気もいたします。いいコンサートでした。感謝。

 

 

2012.8.10 荘村清志ギターリサイタル鑑賞

荘村清志氏のギターリサイタル2012に行ってきました。

会場は、あいれふホール。

プログラムは、

一部  G.フレスコバルディ、H.パーセル、J.S.バッハ、F.ソル

二部 J.トゥリーナ、E.グラナドス、J.マラッツ、I.アルベニスト

という作曲家の作品でした。これだけの作風の曲の個性を風雅さをもって演奏する荘村さん、演奏の姿も若々しく凛々しいものでした。

1963年来日した巨匠ナルシソ・イエペスに認められ、翌年スペインに渡り師事。69年には、日本デビュー・リサイタル。実力、人気ともに日本を代表するギター奏者です。武満徹氏とは74年に「フォリオス」、93年には「エキノクス」を委嘱、77年荘村のために編曲された「ギターのための12の歌」を初演・録音。96年には「森の中で」を全曲初演した。武満氏とも交流の深い演奏家です。いいコンサートでした。

 

2012.8.5 NHKドラマ『夢千代日記』を鑑賞

NHKドラマ『夢千代日記』を鑑賞しました。

病を背負いながらも、ひたむきに生きる芸者・夢千代。山陰のひなびた温泉町で交差する人のやさしさ、悲しさの物語。

 作:早坂 暁、  

音楽:武満 徹

出演:吉永小百合(夢千代)、 林 隆三(山根刑事)

   秋吉久美子(金魚)、  樹木希林(菊奴)

   楠トシエ(千代春)、  片桐夕子(市駒)

   中条静夫(藤森刑事)、 加藤治子(泰江)

   ほか

制作:勅使河原平八

演出:深町幸雄、松本美彦

 

芸者置き場・はる屋の主人夢千代。彼女は母親の胎内で被爆するという運命を背負っていた。そんな彼女の芸者置場には、様々な過去を抱えた芸者が集まっていた。そんな不器用ながらも心優しい人々の姿の、山陰の風土の中に抒情豊かに描き出している。1981年「ドラマ人間模様」にて放送された。

音楽は武満徹。テーマのメロディが流れる。映像と音楽を味わいながら鑑賞しました。個性ある演者と、物語に豊かな起伏と人間模様が深く脚色された内容でしみじみと鑑賞しました。よくつくられた作品です。いい作品と武満さんの出会いがあったのですね。充実して挑戦されたのではないでしょうか。

山陰の風景、波の音に武満さんの音楽がとても溶け込んでいると印象をもちました。感謝です。DVD版が販売されてますので手に入れることが可能です。

 

 

2012.8.3 記録映画「カムイと生きる」鑑賞

記録映画「カムイと生きる」鑑賞しました。

千葉県君津市の山奥で暮らしながらアイヌの伝統文化をいまに伝えている浦川治造さんの姿を追ったドキュメンタリー映画。アイヌの人々は、動物、植物、火などの自然現象、あらゆるものに神々「カムイ」が宿ると考えてきた。自然を敬い、自然と共に生きる「アイムプリ」という生活スタイルを貫く浦川さんの生き方を通して、自然と人間の共存あり方を問うている。アイヌの長老をエカシとよぶが、人間性の大きな理想像を体現した人につけられる名だ。

故郷の土地からは、離れて千葉で腰を落ち着けながらも、地元の人たち、さらには世界の先住民の人たちとの交流も実践している。まさに長老の人格を体現している浦川さん。とても深い映画です。

家路の途中、ブルックリンパーラーという店に入った。食事とお酒を愉しみながら、音楽や本に会える場所。とパンフレットに書いてありました。

新宿店に続いて博多にやってきたそうです。なかなか雰囲気はいいものがあります。本の販売もあり、ソングライン(ブルース・チャトウィン著、英字出版刊)に心の琴線がふれました。人はなぜ放浪するのか・・・伝説の旅人。チャトウィンが辿るオーストラリア、天地創造の旅。たぶん大発見と思ってます。読むのが楽しみです。

 

2012.7.14 蓮井幹生写真展 於 ギャラリーモリタ

7月14日、ギャラリーモリタでの蓮井幹生氏の写真展とお話会に参加しました。蓮井さんは、テレビCMの仕事では様々な作品を制作している作家です。

写真家としても、独自の特色ある作品を発表しています。

 

そこのある光。そこにある木、水、雲、石、花、土、そして生き物。

全ては自然の成り行きによって作られたかけがいの無いもの。

そこに出会い、見つめ、静かに自分の中に取り込む様に写真する。

心の中にある混沌としたものが

透明感のある上澄みとざわっとした沈殿物とに分離されてい行く。

そのどちらもが自分自身である。

そのままに、ただそれを複写するかの様に写すことが

全てを受け入れいれるということなのなのだろう。

 

蓮井幹生

 

今回は、水平線を核にした風景の写真作品 PEACE.LAND。九州の海辺、畑、自然の中に詩情豊かに空間の風景が表現されています。

俳句の形式を写真の5,7,5という数の作品で表現する独自の作品は、フランスの図書館でも保存されるそうです。

俳句の世界観を、写真で挑戦するとい発想は、いろいろな可能性を感じさせます。

CMの仕事、独自の写真の創造的挑戦は、そのバランスの取りながら充実した活動をなされています。CMの仕事も楽しみながら、いろいろなアイデアを考えながら取り組まれています。

CMも人に何かいいものとして残る作品を目指しているそうです。会社の持つ社会的貢献を認識している部分を表現として出してみたいとも言われていました。とても刺激的な会でした。

 

2012.7.7 第4回全国NPOバンクフォーラムお手伝い

7月7日、第4回全国NPOバンクフォーラムに手伝いにいってきました。

仕事は、カメラで記録をとることでした。

NPOバンクは既存の銀行ではなく、市民が出資してつくるバンクです。

社会をよくするのも「お金」、悪くするのも「お金」。ならば、暮らしやすい街にするために、身近な課題を解決するために、「お金」の使い方かたを変えてみませんか?絆や縁をカタチにしていくNPOやソーシャルビジネスを支え社会的に不利な立場に置かれた人々をも包み込むような「志金循環」。これを支えるのがNPOバンクです。このような市民バンクにかかわる方、関心がある方が全国から集まり実践交流と友好を深めました。若者も多数参加していました。

7日は、福岡市男女共同参画推進センターアミカスで、8日は九州大学大橋キャンパスが会場でした。

田中優氏(未来バンク事業組合理事長)、山口覚氏(津屋崎ブランチ代表)のお話、各分科会の内容はとても勉強になりました。

個人的には、「これからの再生エネルギー普及」の分科会の原亮弘氏(信州おひさまエネルギー(株)代表)の発表の地域で地産地消の市民電力会社を目指す取り組みにはとても興味をもちました。原発なしの世界に、はやくなりたいものです。

福岡にも、もやいバンク福岡が発足してますので、興味を持たれた方は、HPを探してみてください。

 

 

2012.6.30 塩井一孝 三津木晶 展 於ギャラリー・モリタ

6月30日、ギャラリー・モリタでの塩井一孝・三津木晶展へ行ってきました。

今日は、交流会的に、作家とのお話会もありました。

塩井さんは、鉄の作家。「ランドスケープの皮膚」をテーマとした立体作品を制作してます。今回は、故郷を流れる「五ヶ瀬川」を題材にした作品。

四角い立体に自然の岩や素材を写し取り、立体の転写する独特の方法で表現しています。川のせせらぎが聞こえてきそうです。

三津木さんは、紫と茶色を混ぜたような独特に色を基調として、個性ある線、形、水平の線、曲線。形あるものをが描いてあります。空間の空気感も感じさせます。三津木さんの言った、自分の今感じている気持ちを絵で表現したいとの言葉。とても印象に残りました。

若い作家の生まれ変わる時に出会ったのかもしれません。貴重な体験でした。

 

2012.6.19 赤坂茶房カフェの壁塗りのお手伝い

けやき通りの赤坂茶房カフェの壁塗りを手伝しました。開店して2月のお店です。片面が竹藪にイメージでできた壁でしたが。店主の方が、白い壁にしようと決心され、私も手伝いました。

ローラー刷毛があるので意外と楽にできます。店主が家具をつくる方と相談して飾り棚のをつけると言われたので、どうなるか楽しみにしていました。

今日、行ってみると白い壁に薄い長い板が水平線のように三段の棚になっていました。棚の15センチほど上部に透明な紐が水平に張られていてチラシ等を支えるように出来ています。なかなかのアイデアと感心しました。

ここに、どのようなものが配置装飾されていくのか楽しみです。

店の内装を手伝うのはとても面白いものです。皆様も挑戦されてみてはいかがでしょう。

 

 

2012.5.27 めぐりあいの音楽会 参加企画けやき通り音楽祭

5月27日の〈けやき通り音楽祭 参加企画 めぐりあいの音楽会〉に企画協力してきました。けやき通りの7店舗を会場として、各会場の空間と人そして各演奏家の音楽を、はしごしながら楽しむとい趣向の音楽会でした。ドリンクも味わっていただきました。

各会場、音楽、楽器もいろいろなスタイルがあり、4会場を巡った方は十分にお楽しみいただけたようです。

「さわやかな午後とてもゆったりとした気分で過ごせました」「聴きなじみがある名曲中心ですごく楽しめました。またの機会があればぜひ!」

楽器もチェロ、ピアノ、アコーディオン、電子キーボード、管楽器、ヴォーカルと多様でしたのでいろいろな楽しみ方が選択できるようにしておきました。

会場もカフェ、音楽教室、レストラン、ピアノ練習場、現代絵画ギャラリーと変化をつけています。

宣伝不足のようで、もう少しお客様がはいるとよかったのではないかと思っています。宣伝と集客いつも悩むテーマです。

今回第1回目、継続が大切です。演奏家、店の方、お客様、企画内容のハーモニーが重要です。