2012年の見聞

012.5.27 藤原真理チェロコンサート けやき通り音楽祭

5月27日、福岡市警固教会での藤原真理チェロコンサートお手伝いして鑑賞もしました。会場の警固教会は、蔦がやさしくつつむこじんまりとした建物です。100名程度の観客の中でのコンサートでした。べートーベン、バッハ、シューウマンの曲でした。

ピアノは倉戸テル氏でした。藤原さんと引いたり押したり掛け合いがすばらしい演奏でした。15年ほど一緒に演奏会をしているそうです。息が合わないとできないでしょうから、お互いにいい音楽関係を保てるということでしょう。

藤原さんは、自分の体調にはとても気をつかっているようです。体力、筋力、気力、音楽の研鑽。どれも重要なことです。話し方も情熱はありますが、少年のような心も感じます。人間的にとても魅力的な方でした。バッハの無伴奏チェロ曲は、体にしみこんだ音を表現しているようでした。とても魅力的な音楽でした。チェロの響きが飛んでゆく気がしました。曲の解説も演奏の間にされ参考になりました。いいコンサートでした。感謝。

2012.5.22 エミリー・ジェーン・ホワイト コンサート福岡

5月22日福岡のRoomsでのエミリー・ジェーン・ホワイトのコンサートに行ってきました。カルフォルニアが生んだ、ヴィクトリアン・ロックの女王。幻想と暗黒を友とする歌手。CD“Ode To Sentience”の解説には、書いてありました。

「歌を書いている時、私は解放感に包まれていた。出来上がった作品たちは、人間関係の複雑さだけでなく、あらるる感情に共通する率直な一面を連想させるもの。この曲を書いている間に浄化された」と言うように、彼女の過去のの自分自身の経験から編み出された、センチメンタル感あふれる私的なレコードです。

彼女はアメリカのカルフォニア生まれで育ち。コンサートの印象では、ケルト、アメリカン・ネイティブ、フォーク、イギリス古い音楽いろいろな面が出てきます。ピアノとギターを自分で伴奏しての歌でした。低いリズムの音と高音のアルペジオと歌の声の音質がとてもいいです。歌い方と声の抑揚・節回しは彼女独特の特徴があり個性的でよく聞くととても味わいがあります。声の質も低い声、かすれ声、高いトーンの声とても繊細で表現力があります。

明るくはないが、どん底の暗さでもない。心の底にある悲しみ、嘆き、祈りを忘れていない人にはとても共感と訴える力をもった歌手だと思いました。

これからも、聴き続けてみたい歌手との出会いでした。ライブで体験するのが彼女の歌い姿と共に歌を鑑賞する方がより伝わるタイプの歌手のようです。

いいコンサートでした。感謝。

2012.4.17 吉川よしひろチェロコンサート

4月17日 吉川よしひろさんのチェロコンサートを企画開催しました。

会場は、福岡市の赤坂茶房というカフェです。会場には、20名程の方がいらしゃいました。

吉川さんのコンサートの始めは、オリジナル曲と「春よこい」でした。今年初め体調をくずし春よ早く来いと思ったそうです。

演奏の合間にお話もされ、3.11震災のボランティア訪問や、耳が聞こえない子供たちのためを訪問した時の、体験談も話され、その後のバッフェルベルのカノンの曲は心にしみました。その他「最上川の舟歌」「アメジング・グレイス」もあり、最後は「星メグリノウタ」を演奏する中で、宮沢賢治のあめにもまけずを朗誦され深く祈りと考える時がもてました。これからも支援したい演奏家です。

 

2012.3.1 白い北海道流氷ツアーの旅

2月26日~28日の期間で北海道の流氷の旅に行ってきました。

初日は、飛行機が雪のため千歳空港に着陸できず、東京の戻って再び挑戦して今度は着陸ができました。長い一日でした。

2日目、いよいよ流氷との出会いです。天候は良くはありませんが、何とか砕氷船は出帆できました。

船のデッキに出て、流氷の世界を体感しました。猛烈に寒い中、40分間は流氷の世界を観察しました。

遠くロシアのアムール川から海流と風に流されて網走周辺に漂着します。

アムール川の水が凍り、海の上を漂いはるばると到着します。

いろいろな厚さ、大きさ、質感、割れる音、興味深い世界です。

船上で聴く、広大な空間の、風と大気と流氷と生き物が織りなす音の世界は、とても豊かなものです。

港の近くでは、たくさんの野鳥、海鵜、カモメ、鴨、白鳥等さまざまな鳥たちが生息しています。

ぜひ、一度体験してみてください。2泊3日のツアーで一人5万円で福岡から出発できます。宿は露天風呂がある温泉です。層雲峡と阿寒湖に宿泊しました。

流氷の世界、武満さんならばどんな音楽表現を考えたか想像しています。

2012.2.24 映画「メランコリア」鑑賞

映画「メランコリア」鑑賞してきました。

 

 監督:ラース・フォン・トリアー

出演:キルスティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、キーファー・サザー     

   ランド、その他

 

地球にある日、太陽の裏に隠れていた星が衝突する。

それまでの間の、ある姉妹の家族の一族と周りの人々の状景が映し出されます。

こまやかに、ただし場所はある限られた範囲に限定されています。

始まりの8分間のシーンが特別です。細密な映像と象徴的な画面、画面の中に時間が複数流れています。複雑系の時の流れ。武満さんの時間と多次元性を生かした音楽。

何かヒントになりそうです。音楽はワグナーが奏でられていました。

いろいろ感じさせられる映画でした。

2012.2.18 川本嘉子 つのだたかし 冨士屋コンサート

2月18日 別府の冨士屋一也百ホールでの、川本嘉子 つのだたかしコンサート

セレナーデ~秘めやかに闇を縫うわが調べ~に行ってまいりました。

雪が降る中、無事九州高速道で往復できました。

 

川本嘉子さんは、ヴィオラの素晴らしい演奏者。サイトウキネン、タングルウッド、マールボロ、ダボス、霧島音楽祭、小澤音楽塾、水戸室内管、アルゲリッチ音楽祭等に参加。アルゲリッチやバシュメットとの共演でも絶賛を博している。

 

角田隆氏は、リュート、バロックギター、19世紀ギターなどの古典撥弦楽器の演奏家。リュートソングなどの歌曲の伴奏者として深い信望がある。

 

曲は、F.P.シューベルト セレナーデ、アルベジョーネ・ソナタ

   A.ピアソラ オブリヴィオン、「タンゴの歴史」より

   H.ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ 第5番より アリア

 

川本さんのヴィオラの各弦の響きを十分にいかした演奏は素晴らしい。

弦で歌うのもとてもいいです。ピアソラは初めてと言っていましたが、とても熱い歌心をもった方でした。つのださんの伴奏もいいです。会場は昔は老舗の旅館だったのですが、ギャラリーとして再生した空間です。鉄輪温泉の一画で古さと新しさももった素敵な建物です。ぜひ、一度はコンサートにいかれてみてください。

2012.2.14 『しあわせのパン』映画鑑賞

映画『しあわせのパン』を鑑賞してきました。

北海道の月浦という土地の湖のほとりにあるパンカフェから届いた、とある四季の物語です。

東京から若い夫婦が月浦に移り住み、湖のほとりにパンカフェを開店します。

店主は、大泉洋と原田知世です。いい感じです。

そこには、四季おりおりいろんな問題をかかえたお客は訪問してきます。

でも、その空間と店主と常連のお客とのふれあいの中で、生きる道を発見していきます。風景も美しく印象に残る内容の映画でした。

そうそう、この店のパンがとても美味しそうなのです。自分でもパンをつくって、食べてみたいと思わせる映画でした。

2012.2.8ベルリンのピアニスト ヘミング・シュミート公演

旧東ドイツ出身のピアニスト、ヘミング・シュミート氏の演奏会に行ってきました。福岡市のアクロスの円形ホールが会場。最初、録音の環境の記録の音のデータを流しながら、ピアノで演奏がはいりました。自然と人間の声、ドアの音等と楽譜はあるのでしょうが、アドリブで演奏がはいり確かな技術と音楽性をもっているので、まるで情景がみえるようでした。おそれいりました。

観客各層は、若い人たちで男女とりまぜてです。

こんなコンサートは、はじめての体験で新しいものには接しないいけないとあらためて思いました。

資料によると、80年代にベルリンで今では当たり前となっているジャンルを超えた活動や音楽を体現していた数少ないアーティストです。

ベルリンの東西の「壁」も体験した時代の人です。

90年代には、『その男ゾルバ』などで知られるギリシャの20世紀最大の作曲家ミキシ・テオドラキスの右腕として、長年音楽監督・編曲家として活躍。ジャズ・シンガーのジョセリン・スミス、ギリシャの国民的歌手マリア・ファランドゥーリのプロデューサー・アレンジャなどの活動で高い評価を受けています。

 

日本語と英語で曲の解説もされ、とてもよいコンサートでした。人柄もとてもいい感じの方でした。ミキシ・テオドラキスの音楽は映画を鑑賞してますから、感動をあたえられた作曲家でしたからなるほどと、感心しました。凄い人が来るものですね。驚きました。

 

武満さんも映画音楽では、素晴らしい協力者があり、ささえられていましたから映画音楽の裏の舞台の人にも日を当てることも必要ですね。